珠洲から東日本大震災の現地視察 ~南三陸編~

投稿者: osadatakuya 投稿日:

次は気仙沼視察の続編、南三陸の視察編です

南三陸では町長がご対応してくれました!!めちゃめちゃキチっと対応していただいてちょっと緊張気味な多田さんでしたがご紹介していきましょう。

基本的には気仙沼の復興と似ていますね。同じ宮城県ですから「まずは防潮堤」がメインになりますが、南三陸は暮らしにフォーカスをしてお話していきたいと思います。

南三陸町で印象的だったのは集約的な街です。この写真の病院はまさにオールインワンの病院で福祉施設から入院までを担っています。玄関も一緒ですし、社協も中に入っています。また社会福祉法人という民間の法人も同じ施設内にあって、役場の目の前にあります。町営住宅も役場の周りにあり、高齢者には安心安全の環境といえます。
 町長との会談のなかでも、人口の流出には大変気を使っていたそうで「命」に対するテーマを強く感じましたね。高台移転で有名な街ですが、この佐藤仁町長は震災に対しかなり深い考えがありますね。お話しする時間はあまりとれなかったのですが、多田さんも復興に向けて気が引き締まったことでしょう。

震災の支援をしてくれた台湾との交流。毎年台湾との交流があって、学生をはじめ多くの人が台湾と関わっています。復興をバネにとはよく言いますが、復興はなにもお金やハード的な部分だけではないんです。こういった人を結ぶきっかけの側面もあって、心を豊かにしてくれたり、感謝の気持ちを持ったり、すごく人間の感性に触れることができます。こういった人間味のある部分が復興ということなんですよね。南三陸町と台湾は台湾交流事業という名目で修学旅行に行くことがあって、学校同士でのつながりがあります。

ビシッとした空気だったのであまり写真が撮れませんでした(笑)

南三陸町は本当に大変な被害状況で震災時は役場が崩壊し、多くの管理職の方が亡くなりました。そこからの復興だったんですね。行政の機能が停止していた。自助しかない。そんな街が13年で多くの価値あるものを創出しています。
 産業に関わること、取り組みに関わること、街に関わること、多くの物事に「認証」を取得しています。認証の取得の項目がいっぱいあるので割愛しますが、復興に価値を見出したいという想いがあるのでしょうね。やはり同じことをしていても「価値の差」って世の中にはあって、その価値の高さが評価になり力になります。この街では人材に対してもその価値を見出すために「人材育成の塾」をやっているみたいです。本当に思考が深いですね。基幹産業にブランドを付けていくことは難しいことではありませんが、認証というのは一定の基準をクリアしなくてはなりません。基準をクリアするというのは、生産する人数が増えれば増えるほど大変になります。優秀な人間が優秀な人間を育成していかなくてはなりません。この根源には震災で犠牲になった管理職の方の教訓が含まれているのかもしれないな、と町長の話を聞いていて感じたところですね。

「復興には理念が必要」

と佐藤仁町長はおっしゃっていました。未だに復興の途中にあるこの地域ですが、ベースは「命」です。そしてその「命の使い道」です。30分ほどのお話から感じられた内容はこの理念だったのかなって思います。人口の話、福祉と医療の話、高台移転の話、人材育成の話、本当に理解の深い方だなと感じました。復興とは産業だと思っていた私ですが、こういう経験から得た復興はまた違う理念があるんですね。認証や価値は商業的な視点で見られることも多いと思いますが、ある意味で「人を形成するもの」という側面があるということなんでしょうね。

今回はここまで、次は大船渡編

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