能登半島 震災支援 県庁、珠洲市役所訪問
3月12.13.14.15日に石川県にて色々とやってきましたので、今回はメモ感覚で
水産関係
→珠洲市でも漁協を通して行われたみたいだが、HPに記載のある内容の説明なんでしょうね。被災者の漁師さんの道具とか漁港の設備にいくら補助金が出ますみたいな話だと思います。
まあ実際のところ、漁港の復帰ができるのかが一番フォーカスされるべきところで壊れてしまった施設を直す予算とかよりも、どのくらいの漁師が残って、どのくらいの規模で再建させていくかが決まらなくては、船を買うのも道具を買うのも、生業を続けるのも目途が立ちませんからね。状況によっては消えていく漁港のピックアップが重要です。共同体で動くことができるか。地元の人の意見も重要ですが、新たに新規参入する人間が増えなければ復興はできません。今更ながら、「元通りにする」ことを復興と謳う人は少ないでしょう。将来のビジョンをしっかり考えていくことが必須。
実は、14日に須須神社(寺家)の地元の漁師さんと飲んでました。まだ暗くなる前だったんですが、飲みましょうって電話したらすぐ来てくれました(めっちゃノリがよい笑) 彼も私と同じ考えで、終身雇用は難しいし、一次産業者は何個も仕事を持っていないと生活は厳しい。そんなことを言っていて、働き方の観点でいえば「季節労働者」にはひどく共感していただけましたね。通年の雇用の補助ではなく、1回の就労に対して補助をしていって、季節労働者を気軽に扱えるようにするべきだと考えます。
福島に住んでても感じますけど、やっぱり定住って難しいんですよねー。通年雇用は安定していますが、珠洲市にずっと労働者を縛っておくってかなり難しいですよ。漁師であれば旬な時期にしっかり実のあるお金を稼ぐような仕組みがいいだろうって話です。気に入ったら移住してもらえばいいですからね。
農業関係
→農業の担当してくださった方は非常に親身になって話を聞くことができました。結論的には、まだ震災の復興予算みたいなものは決まっていなくて、プロジェクトなんかもこれからって感じでしたね。一次産業者全般に言えることですが、「今までこのやり方でやってきたから復興もその形がベスト」ってことはありません。一次産業者が増えていかない現状を復活させても、翌年からまた生産者が減っていくわけですし・・。復興に脳死はダメです。考えなきゃいかんですね。担当者とも話をしましたが、「民間」を上手に活用することです。もちろんJAなんてのもありますが、もっと違う形で民間を巻き込むことです。例えば、ヨーロッパなんかはJAみたいな組織がたくさんあります。中間業者が儲かる仕組みは生産者を苦しめますので。生産者が多くの中間業者から選択して出荷しているんですね。こうすることで生産者を活かすことができるため、生産者が減っていくことを食い止めています。もちろん世界中で高齢化は起こっていますから全て解決しているわけではないんですが、少なくとも日本の仕組みよりはいいでしょう。官民合同なんて言葉を最近よく聞くわけですが、震災を機にこういった流れが起こっていくといいと思いますね。
企画振興部
→ここでは復興の全体的な話をしてきました。この部署の高田さんはとてもモチベーションが高くて、初対面でしたが、デスクから来た時にすぐこの人が高田さんだってわかりました(; ・`д・´) というのも、県庁に行く前に事前に電話をしていて、小1時間くらい話をしていたんですよね。
内容は多方面に渡りました。東日本大震災の教訓を活かすためにどうしたらいいのか。ちょっと行政の反応が遅いように感じていたんですが、話をしてみると
復興の計画に対して少し慎重になっているなという印象
でしたね。民間の意見や組織を混ぜて、行政だけの判断ではなく広く意見取り入れていこうという感じ。まあ、メディアも色々と報道していますし、今回の能登半島震災の初動から2カ月程度はお世辞にもいいとは言えなかった。東日本大震災があって未曽有の事態を経験した日本なのに・・。そういった世間から受けるプレッシャーもあるのかもしれませんね。予算やプランにも同様なことが言えるでしょう。珠洲市にも民間の意見を聞くところがあって、反映させていこうという姿勢は感じます。まずは予算の関係がありますから色々と障壁となる部分はあるんですが、少なくとも民間をはじめから盛り込んでおいた方がいいでしょうね。どこにどんな予算を組んで、何を作ったか、そんな話はもはや筒抜けですから義援金も含め有効活用をしなくてはいけません。飯舘村でもびっくりするような予算の使い方をしてましたから。今回の能登半島の復興ではそんなことが起こらないようにしてほしいです。被災者も支援者も本気でがんばってる!!
森林関係
→こちらでも丁寧な対応をしていただきました。現状、能登半島の森林組合は全体で100名くらいはいるそうです。しかし、結構な面積の森林がありますから全てを管理するのはかなり苦しいかなといった印象。個人的にはキノコの生産と産地化を考えていますので、国有林を使うということはないんですが、今回の震災で多く見られた道路の寸断などを考えると、山林の手入れはできる限り多くの人に携わっていく必要はあるのかなと思います。
補助金は色々と準備されているようですが、まあ一般的なもので震災の復興に関係する情報はまだないとのこと。
私どもの法人でも福島でキノコの生産をしています。いわゆる「事業継承」という形で行っている事業ですが、シイタケ栽培は比較的放置でもいけちゃいます。もちろん管理だとか最低限のことはやらなくてはなりませんが、放置系で副業的な産業を復興させていくことで山林に携わる人を増やしていきたいなと考えています。以前のブログでも紹介しましたが、地方では1人1個の仕事では地域の維持ができないんですね。複数の仕事を持って生活が保てる「バランスづくり」をする必要があります。特にキノコの生産は山をある程度管理しなくてはなりませんし、原木の有効活用もできます。補助金が降りるようなことをしながら、産業として仕事をしていく。地方には効率性を高めれば大きな将来性があります。
ちょっとシイタケの原木のことも聞いてみましたが、能登半島では「原木不足」があるみたいでしたね。一般的には小楢(こなら)の木を使いますが、この木が足りなそう(;´・ω・) まあ色んな木でキノコ類は作られているので何かしらの生産はできると思いますが。木を伐採してチップにするよりははるかに経済効果は見込めますから足りないくらいがちょうどいいのかなー、なんて考えたりもしますけど(笑)
今回も文字ばかりのブログで申し訳ありません。次回は少し写真を取り入れた従来型の記事にしますので!!
1件のコメント
菅沼栄一郎 · 2024年3月16日 11:23 AM
長田さん、もうお帰りでしたか。おつかれさまでした。
精力的に、早くも「出張リポート」をアップしましたか。
「あぶくまウヲッチャー」として、真っ先に具体化していただきたいのが、珠洲でさっそく飲みにやってきた方が反応した「季節労働者」ですね。春から、飯舘に来ていただけませんかね。春から夏を「インゲン栽培」と「キノコ栽培研修」。秋に能登「カニ漁」に戻って、山に入って「キノコ栽培を移す」。「あぶくま・すずクラブ」に法人を拡大して、連携の具体像を関係者に見せてあげると、ハナシが早く展開しそうです。
最終的には、「能登・福島連携」の継続は、これだけ距離があるので、厳しいでしょうが、「原型」を早めに作っておくと、将来的には別の形(原発最終処理など)で、線がつながるかもしれません。この「季節労働」を、オープンチャットに出せませんかね。