能登震災の支援

投稿者: osadatakuya 投稿日:

前回の続き

頼もしい助っ人

 前回は行政の支援物資と民間の支援物資の違いをお話しました。その続きから

現在、金沢には全国から集められた支援物資があります。現地の話では金沢にある支援物資の倉庫3つが満タンにあるとか。しかし、インフラの寸断で思うように輸送ができない。ライフラインにあれだけ苦労した東日本大震災の教訓は残念ながら今回も活かせませんでした。私が支援で入っている地域で民間の方が指揮している避難所の数は20ヶ所以上、1600人近くを民間が支えています。民間でチームを作り、瞬間で支援に走っている超速い支援団体です。彼らがいるおかげで多くの避難所は助かります。

これは民間で集めた支援物資

この量を一瞬で集めてくる民間組織は相当すごい。しかし、これがなくては20ヶ所以上の炊き出しはできません。行政が入るまではこうやって凌ぎます。震災ってこんな感じです。民間ルートをしっかりしないとリアルな、皆がイメージするような地域には物資は届きません。かなりきつい所は自衛隊が足で運びますが、今回の震災はその自衛隊が圧倒的に足りない。孤立した人数は3000人で7000人の自衛隊ではどう考えても補給は足りない。孤立が多く、インフラが崩壊した場合は人海戦術で支援をしなくてはいけない。今回のケースは被害地域や規模を考えるよりも、【どのような状況になるか】というイメージを持って取り掛かる必要があった。絵を描けなかったように思う。

対策本部は役所とは別組織です。なので、役所に何かを伝えても別な話。国、行政、民間、が一つになることはありません。指揮系統がバラバラ。13年前の東日本大震災から変わっていません。なので、民間の支援団体が早急に入る必要がある。対策よりも予防に努めてほしい。それも真剣に。震災大国の日本において、災害予防は大事で地元の人の知恵や専門家、行政、国、自衛隊が一体となって予防から始めていれば、被害は半分にもならないでしょう。組織は複雑にすればするほどフットワークは鈍くなる。寄せ集めはコントロールが難しくなる。これは誰でも知っている話で、ある程度マルチにこなせる人間が迅速に判断する。災害に必要な部署とはそういうものだと考えています。災害は準備と予測だ。

しかし、やはり行政の振り下ろすパワーはすごい。時間こそかかるが、振り下ろしてしまえばあっという間に回復する。要はこの特性を理解していると、民間がやるべきことが見えてくるってわけ。それは【繋ぐこと】です。実際はこのフェーズも最初にやっておけばいいので、民間と行政が一体となって予防からやっておけばいいとは思いますね。


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